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運動から五感を育てよう!~その3~

 みなさん、こんにちは!
 このコラムは、子どもたちの運動能力を高めるために様々な角度から「からだを操作する力をはぐくむ」方法を紹介していきます。幼少期に体を思い切り動かしのびのび過ごすと、何事も意欲的に取り組む態度が養われ、健やかな心の育ちも促す効果があります。
 ぜひ、日頃子どもとかかわる中で、参考にしてくださいね。

 本コラム~その1~~その2~では、様々な角度から五感について紹介しました。
 今回は発達に合わせた「感覚」のアプローチ方法を紹介します。

個々の発達に合わせた運動のアプローチ

 幼児は、一般的にその時期に発達していく体の諸機能を使って動こうとします。
 発達に合わせた運動をすることは、それらの機能が一層促進されるとともに怪我の予防にもなります。
 この時期に身体機能を十分に動かすことは、活動意欲を満足させ有能感を育みます。
 一方で、活発に運動がこなせる子どもに対し、発達の特性を無視し体に過重な負担をかけ、高度な動きを求めることは、子どもの体に過重な負担をかけ、怪我に繋がったり、やる気まで奪ってしまいます。
 成長は、個人差が大きいため、全般的な発達の理解だけではなく、一人ひとりの発達に応じた動きが重要となってきます。

 発達を促す運動 0~2歳児
 おおむね0~2歳の子どもたちは「感覚を育てる」

 人間に大切などんな環境でも適応する能力を育てます。
 強い・弱い・遠く・近く・早い・遅い等の感覚機能や、見る・聞く・触る・においをかいだり・味わうことや季節の移り変わり、自然を感じたりする物事を感じ取る心の働きやコミュニケーション能力・情緒を育てます。
 握る動作を例にあげると、ただ握るだけではなく、「ぎゅっと強く」など動作をあらわす擬容語などをたくさん使いながら、動作がどのような状況なのかを声をかけて感覚を教えることが大切です。

発達を促す運動 3~5歳児
おおむね3~5歳の子どもたちは「五感を育てる」

 この時期多くの子ども達は、ことばが理解できるようになってきます。
 どこの筋肉を使って動かすか、触れ(「触覚」)、見本で表現したことを見せ(「視覚」)、擬態語・擬容語等のことばがけをする(「聴覚」)ことが大切です。時には「におい」を嗅ぎどんな匂いなのかを表現させ、子ども達のことばを広げながら、受容言語をたくさん取り入れ、動きと同時にことばの機能の発達を促します。

 様々な運動経験を通じ五感を刺激しながら、自分のからだの部位や名前、機能を理解していきます。動作をしながら、どこの筋肉を意識して(使って)運動をすると体がどのように動くのかを経験させていきます。
 指導の際は、意識してほしい部分に触れ、触覚を刺激しながら動作をすることが理想です。動きがわからない、自分の身体を操作できない子どもたちは、どこに力を入れるのかが理解できません。

 ここで、動きに対してどのように「感覚」を使って運動を伝えるか例をつかって説明します。

【鉄棒】ぶら下がり(手と足)/コアラ
(動き)手で鉄棒を握り、両足を鉄棒にかけてぶら下がる

【跳び下り】
(動き)高さがあるところから、不安定な場所へ跳び下りる

 体全体を使いながら多様な動きを経験して「感覚」を刺激する。五感を理解して子どもたちに運動を教えると確実に運動能力が高くなります。

 様々な情報を「五感」でインプット。その情報を処理して「行動」する。

 基本運動の中でも、子どもたちの大好きな「走る」「両足跳び」は、大きな器具も必要ありませんので、どのような園でも実施できます。

 「五感」をテーマにぜひ、思い切り動いてみてください。その時は保育者の皆さんも「感覚」からインプットして子どもたちと一緒に運動をしましょう。

筆者の著書で、より詳しく子どもの運動について学べます!

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