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「天災は忘れたころにやってくる」と言われますが、昨今は忘れる暇もなく毎年のように地震や暴風雨などが日本のあちこちに被害をもたらしています。本コラムでは日頃の訓練の大切さについて考えます。
保育の仕事に携わる人は、日々の安全管理はもちろん、こうした突発的な出来事についても、十分な備えをしておかなくてはならず、防災体制の強化も求められています。現在では全ての園で災害対策を練っており、訓練も義務付けられています。
スタンダードな訓練 | 立地により追加する訓練 |
○地震訓練 | ○津波訓練 |
○火災訓練 | ○台風・大雨・土石流訓練 |
○不審者訓練 | ○噴火訓練 |
低年齢児(0〜2歳)の保育園に園長として携わっていた時のことです。
ある日、震度4くらいの揺れが園を襲いました。体感として長く感じましたが5分くらいは揺れていたでしょうか。
私は急いで事務室から子どもたちのいる保育室を確認しにいきました。保育士の1人は地震で扉が開かなくなることの防止として扉を開けており、1人は避難カートを用意しており、残る2人は(防災遊びでしていたように)分厚い敷布をテントのように広げ、その中に子どもたちを入れ落下物から守っていました。
まだ0〜2歳の小さな子どもたちです。こんなに小さいのに、何かあったことはしっかりと理解していて、誰も泣かず誰も大きな声も出さず、保育者の言うことを聞いて敷布の下に集まっていました。
とてもとても感動した一瞬でした。揺れは収まり、すぐに通常保育が再開されました。とっさに扉を開けた保育者、避難カートを用意しようとした保育者、子どもたちを守った保育者、静かに行動できた子どもたち、みんなが素晴らしい行動を見せました。毎月、防災訓練を行っていた成果が、この瞬間にあらわれたのだと感じました。
その日、子どもをお迎えにきた双子を育てているお母様の言葉です。
「毎日忙しく、育児日記をつけている時間がないので、娘2人の2冊の連絡帳は日記代わりでもあり、宝物なの。」
この会話から「そうだ!連絡帳は、保護者にとって、とても大切なものだ」と改めて気付かされ、避難の際ミルクやオムツのほかに、もし余裕があったら必ず連絡帳を避難グッズに入れようと強く思いました。
みなさまの園でも、「何を避難グッズに入れるか」「どんな防災遊びをするか」等を園の研修テーマにして、保育者みんなで議論してもいいかもしれないですね。
次回は、「園の立地に合わせた訓練」について考えたいと思います。
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