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運動からやる気スイッチ!~後編~

                  
みなさん、こんにちは!

このコラムは、子どもたちの運動能力を高めるために様々な角度から「からだを操作する力をはぐくむ」方法を紹介していきます。幼少期に体を思い切り動かしのびのび過ごすと、何事も意欲的に取り組む態度が養われ、健やかな心の育ちも促す効果があります。 ぜひ、日頃子どもとかかわる中で、参考にしてくださいね。

さて、今回は運動からやる気スイッチ!~後編~ です。

前回は、花火を例に、大人はもちろん、子どもの「やる気スイッチ」のあり方はさまざまである事、そして子どもたちの「やる気スイッチ」をONにできる運動について、子ども自身がスイッチを入れ、それを続けられることが一番理想であることをお伝えしました。

今回は、「やる気スイッチ」を子ども自身が入れて、ONの状態を保つには、どうすればよいのか、具体的な実践方法を交えてお伝えします!

まずは、そもそも私たちが持つ「やる気スイッチ」の正体は何でしょうか。

【やる気スイッチといわれるホルモン】
私たちのやる気は、主に「ドーパミンとセルトニン」という神経伝達物質によってもたされています。神経伝達物質とは、人間の脳内で情報の運搬役として働く化学物質のことです。
※興味がある方は、書籍「からだを操作する力をはぐくもう」(萌文書林、2021年6月刊行予定)を読んでくださいね。

それではいよいよ、「やる気スイッチ」の正体を踏まえ、五感を使いながら体を動かし、脳へ伝達させ子どもたちの「やる気」を育てる方法をお伝えします。

【五感を育てる】

人は、この世に生まれてから脳が発達していき、様々な動作を習得していきます。
首がすわり、寝返り、腹ばい、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き、歩行(不安定)。
原始反射から始まり、次第に意志を持って行動ができるようになります。
首がすわり視覚が発達してきた頃から大切なのは、目から得る情報(視覚)から、やりたい気持ちになるように環境を整えることです。視覚から、聴覚・触覚といったその他の五感の刺激へ広げていきます。
五感から脳へ直接刺激して、子どもたちの「なんだろう?」「やってみたい、やりたい」という気持ちに寄り添い、見守り、後押しするように関わります。

運動からやる気スイッチ【『首すわり完了』〜『ハイハイ』篇】

首がすわり、視覚が発達した頃からハイハイまでの過程において、体を動かしながら『やる気スイッチ』をONにする方法を紹介します。

《その①》運動からやる気スイッチ【首すわりが完了した頃から】

抱っこをしながら、一緒に指差し確認をします。壁に貼ってある絵など、大人が指を指し、子どもに話しかけましょう。
例:「りんご」の絵を指差し 「りんご」と声を出し伝え、続いて赤ちゃんが同じように指差しができるように見守る。できたときに「りんごだよ。上手だね。」等、声がけを忘れずに。 

[point]
★まずは、視る力を育てます。
⇒ここでは、「りんご」のように対象を指し正解することが目的ではなく「視る力」を育てることが重要です。

《その②》運動からやる気スイッチ【腹ばい、ずりばい、ができるようになった頃から】

赤ちゃんが興味を持っているもの等を見つけてあげ、興味があるものを見せながら、または音をするものを鳴らしながら、名前を呼んであげながら、視覚、聴覚で移動を楽しむ環境をつくってあげる。

[point]
★視る力がついていると様々なものに興味がわき、そのために移動をするようになります。
「上手!」「できたね!」などの言葉がけも併せて行っていきます。

《その③》運動からやる気スイッチ【ハイハイができるようになった頃から】

その②を行いながら、ハイハイをすることで、活動が広がります。
ここでも、周りの環境を整えます。
環境設定例:フープやマットなどでトンネルをつくったり、マット(幅60センチ程)をつなげたりして安全な環境をつくります。

[point]
★ハイハイでくぐったり、デコボコ道をつくったり、なだらかな坂をつくったり、赤ちゃんが動くことを楽しめる環境設定をしましょう。赤ちゃんが自ら動いていることを、安全に配慮して見守ることが大切です。

★動いている際、その環境の説明(「狭いトンネルくぐれるかな?」「どうやってくぐろうかな?」)、素材の情報(触って見せながら、「マットつるつるだね」)等、赤ちゃんが五感をつかって動くことに繋がる言葉がけをしましょう。
 歩き始めでも、手をつなぎながらチャレンジすると、動きが広がります。

このように、様々な環境で動きを経験し、「からだの操作を覚え動きが出来るようになる」=「運動を通じて成功体験を経験し自分はできる!と自信を持つこと」を【運動有能感】といいます。

「首すわり完了から移動運動やる気スイッチ」ONになる
これは、「五感を刺激しながら、動くこと」の基盤づくりになります。

最初にお伝えした通り、幼少期に体を思い切り動かしのびのび過ごすと、何事も意欲的に取り組む態度が養われ、健やかな心の育ちも促す効果があります。

新型コロナウイルスによって生活環境が変化した今、からだを操作する能力を高めることに注目し、工夫して実践していきましょう。