保育者の仕事を支援するポータルサイト

ビーチサンダルでお散歩しよう!(足裏の重要性)~その1~

みなさん、こんにちは!
このコラムは、子どもたちの運動能力を高めるために様々な角度から「からだを操作する力をはぐくむ」方法を紹介していきます。
幼少期に体を思い切り動かしのびのび過ごすと、何事も意欲的に取り組む態度が養われ、健やかな心の育ちも促す効果があります。
ぜひ、日頃子どもとかかわる中で、参考にしてくださいね。

7月は、保育者の皆さんの足裏を見直してみるきっかけになればという願いも込めて、「ビーチサンダルでお散歩しよう! (足裏の重要性)」というタイトルで3回に分けてお届けします。

<全3回の主な内容>
その1:足裏の重要性について
その2:皆さん自身で足の裏の現状チェック
その3:ビーチサンダルでお散歩しよう 

2021年も7月となり、皆さんの足元も軽くなる頃です。
毎年夏には、何を履いていますか?

鼻緒のない流行のサンダル派?または、鼻緒のあるビーチサンダル派?
私は、ビーチサンダル派でギョサン(※)を履いています。※漁業(従事者が履く)サンダルの略

昔の履物と言ったら、ビーチサンダルのように鼻緒がある「下駄や草履(ぞうり)、雪駄(せった)」などでした。ご存じの通り『鼻緒のある履物』は、足の親指、人差し指ではさみ履くものです。歩行する際、親指と人差し指で鼻緒をはさみ、履物が脱げないようにするため、昔の方たちはしっかりとした足裏をしていて、脚力も強かったそうです。

しかし現代は、オールシーズン足を覆う靴が主流。

そして夏になるとサンダル派が増えてきますが、よく見ると大半の方は鼻緒がありません。昔と比べると足元も変わってきました。

まずは、私たちが直立歩行から走るのに適した足になっていく進化について、そして足裏の重要性について、書籍や測定結果、関節の生理学を交えながら、ご紹介します。

ここからは、『スタンフォード式人生を変える運動の化学』著者ケリー・マグコニカルの書籍の中に興味深い内容が載っていましたので一部抜粋をして紹介します。

400万年前猿人たちは、樹上で生活しており、その結果曲がった足をしていたため走るのには適していなかったようです。

“しかし200年前、大規模な気候変動で地球の気温が低下。東アフリカでは森林地帯が減少し、まばらな森や広い草原が出現しました。原始人は獲物を狩ったり木の実を収集したりするために、広範囲を移動する必要に迫られ、現在の私たちのように地面を蹴りやすい、走るのに適した足が登場しました。それは、化石記録によると100万年から200万年前の頃のこと。”
引用『スタンフォード式人生を変える運動の化学』著者ケリー・マグコニカル(訳)神崎朗子[大和書房]

なるほど人間は、自然選択によって、長時間の狩を続けられる、地面を蹴りやすく走るのに適した身体的特徴が優位になり今の足の裏を手に入れたようです。

裸足で生活していた時代から、日本の文化の中では、下駄や草履をはいていた時代となりました。
さて、主に洋式の靴が履かれるようになったのは、いつからかご存じでしょうか。

日本靴卸団体連合会によると、江戸時代末期から明治時代の初期だそうです。そういえば、明治維新の立役者、坂本龍馬のその時代撮影されて写真をみると、ブーツを履いて椅子に座っている写真がありますね。

そのころから私たちは大切な足を「守るため」「おしゃれのため」「機能向上のため」「目的に合った動きをこなすため」様々なる理由で靴を履くようになりました。

今では靴を履く生活が当たり前になり、足は靴により保護をされ、しかも平坦で整った地面で活動するようになりました。その結果、地形や地表の状態に対する足部のアーチの適応能力が低下し萎縮したアーチをもった平坦な足「偏平足」が増えてきてしまいました。 また現在は指に力が入っていない状態で足指が地面に接していなく指の付け根部分で歩く「浮指」になっている子どもたちも増えてきているようです。

そこで足裏の左右のバランスや足裏の接地状態を視覚的にわかりやすく画像に解析したものを紹介しながら、足部のアーチ(土踏まず)についてお話していきましょう。

写真[足裏接地状態❶]は著者の足の裏です。(株式会社FOOT LOOK)*今回は画像を青くしています。

❶の画像は、❷画像の浮指、アーチがない足の裏などと比較すると、著者の接地圧力は、過去に右足首靱帯部分断裂をしたため、少々左足重心のため左足圧力が強くでていますが、土踏まずの部分が浮き上がっているためしっかりとしたアーチがあります。
著者の分析結果は、足のバランスが良いと回答をいただきました。・・・「良かった」

出生時の足部のアーチ(土踏まず)は、どうでしょうか。 0歳児の子どもたちの足の裏を、思い出してみてください。そうです、まだまだアーチは低く未完成です。

アーチは、成長と共に活発な筋活動と体重増加に対する抗重力(地球の重力に対して姿勢を保持するために働く筋肉)作用として高さを増し完成していくそうです。アーチにより体重が分散され安静時には、体重の50%ずつが両距骨にかかり、それを踵骨に25%、残る25%を母指球・小指球に分散します。

このアーチは不整地で不安定な接地面で立っている場合、接地面との最良安定した接触状態を得るたに、可能な限り適応するような機能をもっているそうです。

そのためアーチの形成が低かったり、アーチの支持が萎縮していたりすると、安定した立位の保持や安定した姿勢のまま足を動かし歩行することに大きな影響をもたらすようです。(引用:カパンディ関節の生理学Ⅱ 医歯薬出版株式会社)

また体重の分散について、50%ずつが両距骨にかかり、それを踵骨に25%。残る25%を母指球・小指球に分散するはずが、浮指ですと体重が後傾となるため、両距骨50%踵骨に50%となり、不安定な状態となります。
足部(足裏)は、姿勢制御をおこなう役割となり、足部の運動が下腿の運動変化に関わります。
アーチによる十分な支持が得られず、足部の運動が円滑に行われなかった場合は、立っている状態の姿勢が保持に支障をきたし、転倒や運動全体のパワーが失われることにもなります。

さらには、足が疲れやすかったり、足の裏が張って痛くなったり、腰が痛かったり、外反母趾や偏平足など 様々な弊害があるといわれています。

まとめ・・
❶人間は100万年から200万年前に、地面を蹴りやすく「走る」ことに適した足を手に入れ、安全に移動するために「草履」などを履き、その後現代のような靴を履くようになった。
❷靴を履くことが当たり前の生活をしている私たちの時代は、平坦で整った地面が多く、そこで活動するようになったため足部(足裏)のアーチの適応能力が低下し萎縮した平坦な足部が多くなってきている。
❸「アーチの適応能力の低下」「萎縮した平坦な足部」が原因で立位の保持や安定した姿勢のまま足を動かし歩行することに大きな影響を与えることになってきている。

Part1「足部(足裏)の重要性」ご理解していただけましたでしょうか。

今の私たちにとって靴のある生活は、切っても切れない関係です。
次回のコラムでは、
❶[足部のアーチの適応能力]…皆さん自身の足裏の現状チェック
❷[普段履いている靴]❸[普段歩いている道]…❷❸は「子どもたち」「皆さん自身」を振り返り、最終回へと続きます。

お楽しみに!

執筆者の著書で、より詳しく子どもの運動について学べます!