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おもちゃとは、あそびに用いるモノのことで、遊び道具ともいわれます。主に手に取ってあそべるものを指します。古代文明の遺跡からもおもちゃが発掘されており、おもちゃは人類と共に存在していたものと考えていいでしょう。
日本の保育においては、保育所保育指針等にもあるように「環境を通して」保育を展開するため、保育者がどのようにおもちゃを選ぶのかという点は、保育環境を整えるにあたり大変重要なファクターとなります。
それでは、おもちゃをどのように選べば良いのでしょうか。おもちゃには、色々な種類があります。どういった種類のおもちゃがあるか確認してみましょう。
このようなポットン落としといわれるおもちゃは、目と手の協応動作を促す役割をもち、0歳〜1歳の子どもたちに適しています。色に興味が出てきた時には、赤色の穴に赤色シールのついた棒を落とすなどのマッチングにも使えます。
ブロックのような、積んだり並べたりパーツを組み合わせて自由に遊べるものであれば、比較的どの年齢にも対応できます。ただパーツを組み合わせるだけの発達段階の子もいるでしょうし、「これは剣だよ」と見立てあそびをはじめる子もいるでしょう。
表面がひらがな「あいうえお」で、裏面が文字に対応したイラストの書かれた積み木などは、よく園に備えられているでしょう。文字を書く発達段階ではなくても文字のイメージを持つことはできますね。
スライムあそびや、砂あそび、水あそびなどがあげられます。
もちろん上記以外に音の鳴るものやパズル・人形・ぬいぐるみ・ままごと道具など、おもちゃには数えきれないくらいの種類があります。しかし、おもちゃは沢山あればいいというものではありません。アメリカのトレド大学の研究論文(2018)*1においてCarly Dauchは「幼児のあそびに対する環境内のおもちゃの数の影響」を検証しました。その結果、環境内のおもちゃが少ないと幼児が1つのおもちゃでより長い期間の遊びに従事し、より創造的に探索して遊ぶことに集中できることがわかったのです。
そのため保育者のみなさんには、先述のおもちゃの種類を参考に、保育室のおもちゃを整理してみることをお勧めします。もしかしたら「前からあるからなんとなく使っている」というおもちゃがあるかもしれません。そういったおもちゃを片付けたり、機能が似ているおもちゃの数を減らしたり、足りないと思うおもちゃを増やしたり、あるいは定期的におもちゃを入れ替えるなどして、保育室の環境を整えていけるといいですね。
今回は園の「おもちゃをどう選ぶ?」というテーマで、選び方の視点をお伝えしましたが、次回は手作りおもちゃを中心に考えていきたいと思います。
引用元論文 *1 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0163638317301613
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