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運動から手のひらを育てる!~その3~

みなさん、こんにちは!
このコラムは、子どもたちの運動能力を高めるために様々な角度から「からだを操作する力をはぐくむ」方法を紹介していきます。
幼少期に体を思い切り動かしのびのび過ごすと、何事も意欲的に取り組む態度が養われ、健やかな心の育ちも促す効果があります。
ぜひ、日頃子どもとかかわる中で、参考にしてくださいね。

さて、前回・前々回と、「運動から手のひらを育てる」をテーマに以下のことをお伝えしました。
(前回の記事はコチラ!⇒運動から手のひらを育てる!~その2~
(前々回の記事はコチラ!⇒運動から手のひらを育てる!~その1~

手の動きの基礎を育てるためには、手のひら(手首から指の付け根まで)を育てることが大切!
★首が座り、お座り、寝返りと体が動かせるようなる頃から、多様な環境設定をして五感を刺激しながら「手のひらで体(体重)を支え、手のひらを育てる」実践方法

最終回の今回は、おおむね1歳3か月から2歳未満(いよいよ自分の意志で体を動かせるようになってきました!)、この時期の「パワーグリップ」「手掌支持」の主な実践方法を紹介します。

おおむね1歳3か月 から2歳未満歩き始め自分の意志で体を動かせるようになる頃(つまむ、めくる・スプーンをつかう)

腹臥位支持から立ち上がり】
「ゴロン」立ち上がり~立った状態から「ゴロン」
(うつ伏せから立ち上がり)~(立ち上がりからうつ伏せ)
手のひらで床を押しながら、腕、背筋、腹筋など直立に必要な筋肉を使い立ち上がる。一見単純な動作ですが、バランスの向上にとても有効な動作です。

【しがみつき】
この[しがみつき]は全身に力を入れてバランスをとっています。*パワーグリップ、バランス、筋持久力が養える運動です。
子どもたちには「両手、両足」を使いしっかりとしがみつくように促します。
保育士は、『数を数えたり』『歌を歌ったり』『壁から壁まで』など目標を決めて、それを達成できるようにしていきます。目標までできたことで成功体験=運動有能感が生まれます。(第1回コラム参照)

最初は「しっかり『ぎゅっと』しがみついて!」と伝えます。例え動作ができなくても「どうすればできるかな?」「もう少しこうしたらどうかな?」と答えを探させ、子ども自身で考えながら体を動かすことが、体を操作する能力をはぐくむ方法です。

【電車でGO】
バスタオル、クッション、座布団など、少し大きめのものを用意します。写真のようにしっかりと握らせ、保育士は、タオルを引っ張りながらゆっくりと後ろへさがります。その際急に引くと子どもは、バランスを崩し後ろへ倒れる可能性があります。
子どものバランスをとっている様子を見て、実際に電車が出発するように、ゆっくり引っ張ることがポイントです。また周りの環境を整えて、安全な場所で行いましょう。

逆さトンネル(体支持)
手をついて股の間から覗いてみましょう。逆さの世界に夢中になり、ゴロンと前に転がる恐れがあるので注意!しっかり手をついて、逆さの世界を楽しみましょう。
*周りの環境を整えて、安全な場所で行いましょう。

【ぶら下がり~引きずり
バスタオル、クッション、座布団など、子どもが握れるものをたくさん探し様々なものを思い切り握りましょう。うつ伏せにして引っ張ってあげましょう。
こちらも環境設定は「電車でGO」同様です。 腿など場所によって摩擦が生じる場合があります。引きずる場所の環境を考えて楽しく行ってください。

【体支持】
写真のように保育士が正座になり、子どもはその正座に足をのせて両手で体を支える。(子どもの腰は肩よりも高い方が良い)子どもは手をついてから足をのせたり、台の上から手をつき降りたり。手元の硬さ、柔らかさなどの環境を変化させたり、目標を与えたりしながら楽しく体支持を経験させてあげましょう。

【グーパー(手を握る・ひらく】
①立った状態で「ぎゅっと 握って」「パットひらく」②「グーの時は、しゃがみながら「グー」、パーの時は、立ちながら手の平もひらき「パー」と大きく開きます。(足は閉じたままで大丈夫です。ジャンプしてもOK。)
③両手を前に出しパンチのように「グー」、片方「グー」、または様々な方向に向かって手を「グー」と握ることを楽しむことも良いでしょう。歌を歌ったり、リズムに合わせたり、楽しくおこないます。

【タッチ(パー・グー・指)】
対面でまねっこタッチを楽しみます。「パー」「グー」「スイッチON」と保育士の手をみて同じ動作をします。 手を出す高さ、リズム、テンポなど様々な変化をつけて、ひらく、握る、を行います。指先に集中させて、楽しくおこないましょう。

コラム「運動から手のひらを育てる」では、具体的な実践例を交えながら3回に分けてお伝えしました。

くり返しになりますが、「手の動きの基礎を育てるためには、手のひら(手首から指の付け根まで)を育てる」ことが大切です。ぜひ、コラムで紹介した手のひらを育てる実践方法を、子どもと楽しんで行ってください。

おおむね2歳からは、「指先から手先」へと発育発達に合わせることが大切です。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者の著書で、より詳しく子どもの運動について学べます!

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