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徒競走は「スタートダッシュ」がカギ!両足ジャンプで高めよう~その3~

 みなさん、こんにちは!

 このコラムは、子どもたちの運動能力を高めるために様々な角度から「からだを操作する力をはぐくむ」方法を紹介していきます。
 幼少期に体を思い切り動かしのびのび過ごすと、何事も意欲的に取り組む態度が養われ、健やかな心の育ちも促す効果があります。ぜひ、日頃子どもとかかわる中で、参考にしてくださいね。

基本運動の「走る」は、「速い」「遅い」「順位」「形」にとらわれると、その結果が周りの子どもも、そして子ども自身も「行動や結果が見てわかる」ので、「走る」とうい簡単な動きが、一歩間違えると「運動嫌い」を引き起こす可能性があります。

幼児期は、発育発達に合わせて上手に運動をアプローチできれば、運動神経の細かい配線がつながり、小学校高学年の頃には効果的な「姿勢」「腕の振り」「膝の上げ方」がかない、しなやかに、スムーズに足を運び、力強い走りが期待できます。

足裏でしっかり地面を蹴りだしている例

 さてpart3は、いよいよ「徒競走のスタートダッシュ」の動作に注目して、「自分の体をどのように操作すれば」良いスタートがきれ、スピードを出すことができるのか。幼児期の基盤づくりを紹介します。

 「よ~い ドン」とスタート時に必要な能力の基盤づくりで皆さんに紹介するのは主に5つです。

徒競走のスタートダッシュ」の動作に必要なもの

必要な能力動き
調整力
「瞬発性
一気に筋力を発揮する能力「よ~い、ドン」に反応をして一気に筋力を 発揮してスタートする
調整力
「協応性」
目で見て手足の動きを調整できる能力「よ~い ドン」と反応をして、 手足体を調整し連動させて動かす
調整力
「巧緻性」
正確に動く、巧みに動く「よ~い ドン」と反応をして、まっすぐに 前へ移動する
五感
「聴覚」
耳から得た情報を脳に伝える「よ~い ドン」の音に反応してスタートする

※調整力とは、からだの動きを調整する能力※五感とは、ものごとを感じる心の働き
必要な足部動き
アーチのある足部(適応能力が高く、柔らかく弾力のある足の裏)足裏のアーチが弓のような働きをして、地面を蹴りだすことができる「よ~い ドン」と反応して、蹴りだしてスタートする

 スタートの動きだけでも基盤づくりのために取り入れたい能力が4つあります。

 今回は、①調整力「瞬発性」に注目しました。瞬発性を高めることができる動きが、皆さんも簡単に取り入れることができる「両足跳び」です。

 簡単な環境設定を紹介します。皆さんはこれをもとに様々な環境設定をしてみてください。

目的スタートダッシュ「よ~い ドン」と即座に反応をして、一気に筋力を発揮してスタートできる。
時期  段差(階段1段程度の高さ)から両足で跳びおりることができる頃から始めるおおむね2歳児の走る、跳ぶなど体を思うように動かせる頃からはじめる
動き両足跳び両足を揃えて移動

【跳び下り】

【両足ジャンプ】

【跳びのり、跳び下り連続】

【跳び越し】

【数字タッチ】(その場ジグザグ数字タッチも楽しくできます)

諏訪美矢子(2021)『子どものからだを操作する力をはぐくもう』萌文書林

【立ち幅跳び】

【ゴム跳び】

【ゴム踏み】

【踏切両足ジャンプ】思い切り走り、タイミングよくジャンプ

 子どもたちは、楽しい気持ちを表すときも「ぴょんぴょん」と跳ねています。

 「跳ぶ」は最強の動きです。

 ジャンプを中心に様々な動きを組み合わせて、楽しく運動をしていきましょう。

 今回ご紹介した「両足ジャンプ」は、一気に筋力を発揮する能力「瞬発性」や、目で見ながら手足・体をスムーズに滑らかに動かす能力「協応性」を高めることができます。さらに、リズムをつけ「敏捷性」、目標物に正確にジャンプする「巧緻性」が養われます。

 ウサイン・ボルト選手の足の裏のアーチは、筋肉でおおわれてアーチが見えないそうです。
 足の裏に筋肉があるということは、とても弾力があり蹴りだしが超人的であることの証明です。

 子どもたちの足裏も両足ジャンプという動きを中心に行うと確実に足裏を刺激してアーチの形成を促します。また、両足ジャンプは、室内でも思い切り動くことのできるので「季節・気温・天候」に関係なく子どもたちの活動意欲を満足させることができます。ぜひ裸足で行ってみてくださいね。

 最後に、
 歩く・走る・ジャンプなど、スポーツの基本を習得し始めた幼児期は、「元気よく・思い切り・全力で」動くことが中心です。
 様々な情報があふれている現代ですが、個々の発育発達に合わせ、子どもたちの体を操作する力をはぐくみましょう。「できる」「できない」「1番」「優勝」だけではないスポーツの楽しみ方を子どもたちに感じてもらうことの大切さ、他人と比較することなく、自分に合った動きができれば、子どもたちは大人になっても進んでスポーツと関わり、自然と生涯スポーツを楽しみながら、健康で豊かな生活を送っていくことができるでしょう。

筆者の著書で、より詳しく子どもの運動について学べます!

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