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異年齢児保育(合同保育)のメリットとは?環境構成で必要な配慮も解説!

 保育園の中で異年齢児保育を行う場面には2つあります。クラスをまたいで異年齢児と過ごす縦割り保育を設定している場合と、朝や夕方の延長時間帯を異年齢の子どもたちが一緒に過ごすよう設定している場合です。保育園によっては「なかよしタイム」などの呼び方をしているところもあるようです。ここでは、朝と夕方に過ごす時間の合同保育についてお話します。

  1. 異年齢児保育のメリット
    1. 共に育ちあうことができる
    2. 年齢の枠を越え友だちができる
  2. 環境構成で注意すべきポイント
    1. 事前の準備
    2. 一人ひとりに見合った玩具の設定
    3. 安心できるスペースやコーナーの確保
  3. まとめ

異年齢児保育のメリット

異年齢児が関わりあう事で生まれるメリットを、大きく分けて2つお伝えします。

共に育ちあうことができる

年上、年下どちらの子どもも、異年齢児保育を通じ、相手に教えること、学ぶことがあります。子どもたちは、異年齢児保育によって、共に育ちあうことができます。

例えば、以下のような成長が考えられます。
<年下の子は…>
・年上の子への憧れから「自分もやってみたい」いう意欲的な態度が培われる
・年上の子と関わることで順序性や、順番を待つこと、譲り合って遊ぶなどのルールを知ることができ、自制心や社会性が養われる

<年上の子は…>
・年下の子に対してお手伝いやお世話をすることで思いやる気持ちや、優しくすることが自然にできるようになり、自信につながる

年齢の枠を越え友だちができる

 年上、年下で関わる時間を持つことで、年齢ごとのクラスの枠を越え、友だちを作ることができます。園内に友だちが増えることは、合同保育の時間だけでなく、日常での関りや行事における関りにも良い効果をもたらすでしょう。また、年下で月齢の高い子や、年上で月齢の低い子は、自分の居場所を広げることにも繋がるでしょう。

環境構成で注意すべきポイント

異年齢児が一緒に過ごす空間で、一人ひとりの子どもが安心して遊べる環境を考えてみましょう。

事前の準備

 幼児の人数に対して乳児の人数が少ない場合、小さな子どもたちは圧倒されてしまう場面がよく見られます。安全面においても、保育室の中では走らずに歩くように伝えるなど、他のクラスから集まってくる子どもたちにも事前にルールを伝えておくことも大切です。また、複数のクラスで入室が重ならないように移行のタイミングも考えましょう。

一人ひとりに見合った玩具の設定

 まず合同保育時間になる前に、異年齢児の活動の内容やレベルの設定について計画を考えておきましょう。合同保育に入る子どもを把握し、様々な年齢幅で楽しめる遊びや玩具を保証する工夫が必要です。グループで遊べるようなゲーム的な玩具や、ごっこ遊びなど見立てて遊べるようなものや、椅子に座ってじっくり集中して遊べる玩具など、合同保育に入る子どもの発達や興味を把握し用意しておくことが大切です。絵本の選択や量など、適切な配慮も忘れずに。常に子どもが遊ぶ姿を観察し、遊びこんでいる玩具と遊ばなくなってきている玩具を見分けながら、見通しをたて適切な玩具の入れ替えが必要になります。

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ももいくナビ「アイデア集」

安心できるスペースやコーナーの確保

 遊び方によっては、スペースをとるものもあったり、机の上で行う遊びもありますが保育室全体の広さから、子どもの年齢幅を考慮したバランスのよい配分を考えます。ゆったり過ごせるコーナーでは乳児が遊べるように、動きのある遊びのコーナーを近づけないなど配慮してみましょう。全体としては小さな子から大きい子の遊びの環境を異年齢の発達のレベルにそって順に流れるように設定をすると、子どもの導線が確保されやすくなります。

まとめ

 合同保育では、クラス担任以外の保育者の関わりもありますので、全体の子どもを把握し、一人ひとりを見るために保育士の動きにも工夫が必要です。最もしてはならないのが、大きい子に対して「大きいんだから」と圧力をかけてしまったり、小さい子ばかり気になり、大きい子と関わる時間を持てなかったりする事です。
 それぞれの子どもの距離感や興味を日常の保育から保育者が把握し合い、朝や夕方の時間帯の子どもの気持ちに寄り添ってあげられるようにしていくことが大切です。

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