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前回のコラムでは、日頃の訓練の大切さについて考えました。
本コラムでは、園の立地に合わせた訓練について考えます。
★前回のコラムはこちら⇒「見直そう園の災害対策~防災の日(9月1日)~」
私の勤めていた園は横浜の港の近くにありました。そのため防災訓練に「津波訓練」を加えていました。
しかし、市の設定した防災訓練の日のことです。防災スピーカーから何か音が出ていることがわかっても、何を言っているかが聞き取れません。たくさんあるビルなどに音が反響しているようでした。そのため、町内の防災スピーカーを頼るのをやめ、防災ラジオを購入することにしました。
また園では、津波の際には近隣の高層マンションの3階に避難するということが、以前から決められていました。30人(0〜2歳)の子どもたちを、8名ほどの保育者で避難させます。地震の際エレベーターは使えないので、訓練でも歩いて登ります。自力で登れるのは2歳児のみです。0歳児をおんぶした保育者が、1〜2歳を3階まで誘導するのは本当に大変でした。マンション自治会の方の話では備蓄品も多くないとのことで、園児への割り当ては期待できないと覚悟しました。
津波といえば、東日本大震災の際、津波から逃れることのできた園がありましたね。避難しようとした際、日頃から挨拶を欠かさずしていた近くの会社の会社員たちが、子どもがたくさん乗った避難カートを、保育者と一緒に押してくれたといいます。子どもがたくさん乗った重たい避難カート、さらに坂を登るとなると女性保育士の力では押すことができなかったかもしれません。近隣とのお付き合いの大切さが再認識されるエピソードです。
私が勤めていた園でも町内のお祭りや防災訓練に参加し、また近隣の会社の人たちとの交流をしていました。会社の人たちには勤労感謝の日には園児の作った花瓶やカレンダーをプレゼントし、ハロウィンの際にはお返しにとお菓子をいただいたりしていました。こういった何気ないお付き合いが非常に重要で、有事の際に「町のあの辺りには保育園があるんだ」「保育園児がいるんだ」と思い出してもらえたり、また助けの手を得られたりするきっかけとなるのだと改めて感じました。
みなさまの園でも、以下の3点のポイントを意識して、防災体制を再考してみてください。
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