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前回は同じテーマで、選び方の視点をお伝えしました。毎日保育を営んでいる方だと、「こういうおもちゃがあったらいいのに」と思っても、そういうおもちゃが存在しない!ということはないでしょうか。そういう時は、既存のものから「選ぶ」だけでなく、保育環境を豊かにするために、手作りしてみることをお勧めします。
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今回は、モンテッソーリ教具を参考にした手作りおもちゃを考えてみましょう。イタリア初の女性医師であったマリア・モンテッソーリは、モンテッソーリ教育を生み出しました。その教育には「モンテッソーリ教具」が欠かせません。教具には子どもの色々な発達を促すような工夫がされています。以下に示すのはモンテッソーリ教育について学んだ学生が作成したオリジナル教具です(いずれの写真も筆者提供)。
①は色々な色の玉を用意し、色わけをするあそびです。視覚を鍛える、色のマッチングです(材料:毛糸、ディスプレイボックス)。②は中身を隠したボトルを鳴らしてみて、同じ音(同じものが入っているボトル)を探すあそびです。聴覚を鍛える、音のマッチングです(材料:ペットボトル、フェルト、音のなるもの(石やビーズなど))。③はラベンダーなどのハーブが入っており、中身を隠したボトルも同じ数を用意し、匂いをかぎわけて同じ匂いを探すあそびです。嗅覚を鍛える、匂いのマッチングです(材料:詰め替え用ボトル(小)、香りのするもの(ハーブなど)。④は小さいケーキから順に数字を振ってあり、それらを大きさ順に並べるソーティングの遊びです(材料:段ボール、フェルトなど)。
いかがでしょうか。既存のおもちゃで、匂いを嗅ぎ分けるあそびというのはなかなか無さそうですよね。「環境を通して」保育を展開するということを「子どものおもちゃをどう選ぶ?~保育園でのおもちゃの選び方と適正な量とは?~」で書きましたが、これらのような既存のものに捉われないおもちゃを手作りし、保育の環境を豊かなものとすることができれば、子どもたちの選択肢もおおいに広がることでしょう。
モンテッソーリ教育と子どもに適したおもちゃについて、より深く学ぶにはこの書籍がおすすめです!