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働く上でストレスはつきもの、と言ってしまえばそれまでですが、どの仕事にも職種によって特有のストレスがあります。保育者のストレスを、ストレスのもと(ストレッサー)と、ストレス対処(コーピング)の観点から整理してみましょう。今回はストレッサーについて取り上げます。
保育者の主なストレスとして挙げられるものは、たとえば次のようなものです。
指導計画や記録、園便りや連絡帳といった事務作業の多さ、行事の準備や会議など子どもと接する以外の業務の多さがあります。この忙しさが、プライベート時間や休息の確保が難しいというストレスにもつながっていきます。
明らかないじめやハラスメントがない場合でも、職場の人間関係の難しさは、保育者のストレッサー要因として大きなものと言えます。管理職の意見しか通らない、職員同士の保育観が一致しない、コミュニケーションがとりにくい、などの背景が考えられます。
多様な保護者のニーズがある現状において、保護者に気持ちが伝わらない、保護者が非協力的であるといった保護者対応で消耗することがあります。
さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で、保育現場にこれまで以上のストレスが新たに加わりました。たとえば次のようなことです。
消毒や換気の徹底、感染者発生の際にはその対応など、感染への予防対策、対処が求められます。絶えず感染症に対する不安と緊張がつきまといます。
子どもへのスキンシップや、豊かな表情で話しかけることなどは、保育者が子どもとかかわる上で大切にしていることです。ソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用で、そうしたかかわりができなくなったことに対して、ジレンマを感じることがあります。
行事の中止など、これまで当たり前に行われていたことを変更し、新たに保育を組み立て直さなくてはならなくなりました。どのようにしたらいいのか、いつまでそのような状況なのか、見通しがもてないことは心理的疲労を増大させます。
経験したことのない危機的な状況下で、誰もが心理的な不安感を増大させ、様々な反応を示すことは当たり前のことです。たとえばイライラしやすくなる、やる気が起きない、感情が麻痺したように感じるなどの反応が出ます。さらに、初期段階であれば踏ん張りがきいたとしても、何度も感染の波が繰り返し、長期的な対応を迫られると、初期とは別の心理的疲労が蓄積されていくことになります。保育者はそのような中でも役割として「明るく」「献身的」な姿が求められ、それに応えているうちに知らず知らずストレスを溜めてしまうことがあります。
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